概要
研究者は,その研究活動においてさまざまな研究者と交流をして,成果として論文を執筆する.多くの研究者にとって,初めての研究活動の体験は,大学や大学院での卒業研究や修士研究であろう.その際には当然,指導教員となる先生に大きな影響を受ける.そして,博士号を取り,職業研究者としての活動を始めた後も,はじめのうちは大学で師事した先生のつながりを基盤に,その後,徐々に自分の活動領域を広げながら,さまざまな研究者とのつながりを広げていくことが多いのではないだろうか.
本サイトは、そのようなアイディアをもとに、論文の共著者情報から研究者ネットワークを作成することで、その分野や学会に関わる研究者の「研究者としての血」のつながり、つまり「研究の系譜」を知ることはできないだろうかと考え, その系譜作成のプロセス、ならびに作成した系譜などを掲載いたします.

なお,本ページは,人工知能学会誌(Vol.26,No.6)の学会25周年特別企画「次世代人工知能学会」[第1部]『学会のこれまで:学会の歴史と意義』の記事の一つである「人工知能研究の系譜」(pp.??--??) のサポートページとして作成しております.本ページでは、主に論文では、文面や印刷の都合から掲載できなかったプログラムやカラーでのネットワーク図を掲載いたします。なお、本ページで作成しているネットワーク図には個人名が含まれますが、すべて公開されたデータをもとに作成しており、特定の個人を誹謗中傷する意図はもっておりませんが、個人名の掲載が気になる方などがいらっしゃいましたら、筆者(kosuke.shinoda [at] riken.jp)までご連絡ください。
掲載記事(カラー版PDF)JSAI_2011_kshinoda.pdf(7.4MB)
系譜とは
系譜とは、一般的に家系図のように血族を表すものが一般的であるが、師弟関係をあらわすような系図も含まれる。研究者にも,学生時代の大学の研究室はもちろん,職業研究者となってからも,様々な研究者から影響を受け・与え,それは,一つの系図として示せるだろう.師弟関係のような研究者同士のつながりは,研究の成果物の一つである論文の共著に現れていてると考えられる.そこで,本サイトでは,論文の共著者リストから,研究者ネットワークを抽出し,それを図示したものをもって,系譜とする.
研究者ネットワークの生成
人工知能学会では,創刊号(1986年9月)から系譜作成時の最新号(2011年3月号),延べ146号があり,そこには解説や特集記事,もちろん論文も含まれる.日本の学会などが発行する論文情報は,国立情報学研究所の運営・管理する CiNii もしくは,JSTの管理・運営する J-STAGE のいずれかからおそらく取得することが可能である.
データの取得
人工知能学会論文誌は,J-STAGE にて,公開されているが,2001年(Vol.16 No.1)以降の論文誌に掲載された論文のみであり,それ以前の学会誌に掲載されていた論文は含まれていない.よって,本系譜の作成には,CiNii より,「人工知能学会」というキーワードで取得できる論文データ集合より,論文とは思われないものを削除したものを『人工知能学会の論文』ととしている.
具体的には,CiNii のデータでは,学会誌記事以外にも,人工知能学会全国大会や研究会の報告書などが含まれているので,全国大会・研究会・報告書などのキーワードが含まれないメタデータが対象となっています.
リンクの設定
上記の手順で研究者ネットワークを作成するためのプログラムを下記に掲載する.興味があったら,プログラムを修正して使用してみてほしい.
研究者ネットワーク図
研究者ネットワーク生成プログラム
CiNiiもしくはJ-STAGEから,メタデータを取得してネットワークを作成するプログラムは下記になる.
- 言語: ruby
- ライブラリ: rubygems + rgl
- 出力: graph.dot ファイルが出力.内容は graphviz の DOT形式でネットワークデータが出力される.文字コードは UTF-8.
- 必要な準備: CiNii を使う際には CiNii API の ID を取得してください.
- プログラムの使用法:
本プログラムは ruby 言語で作成しており,標準のライブラリの他に rubygems から RGL(Ruby Graph Library) というグラフデータを扱うライブラリを加えている.
graphviz DOT ファイル
以下に,上記のプログラムを用いて CiNii から取得したデータをもとに生成した研究者ネットワークデータを掲載する.
DOTファイル(文字コード: UTF-8)
■ 人工知能学会
- 1995年まで(23kB)
- 2005年まで(71kB)
- 2011年まで(97kB)
■ その他学会
- 日本認知科学会「認知科学」(18kB)
- 日本ソフトウェア科学会「コンピュータソフトウェア」(37kB)
これらのデータは,graphviz の dot コマンドにより,今回作成した系譜図と同じものが生成できる.
Linux や Cygwin のコマンドラインでの作成では文字コードは UTF-8 で問題ありません.ただし,Windows 版 graphviz を用いる場合等には SJIS に変換する必要があります.
本ページに関わる記事を作成するにあたり、ネットワーク図の作成には gephi と graphviz を利用させていただきました。また、CiNii のデータ利用にあたり国立情報学研究所の大向一輝氏にご協力を、研究者ネットワークに関しては、東京大学の松尾豊氏から基本となるアイディアをいただきました。
本ページに掲載されている図やプログラムなどは自由に利用していただいてかまいません.データなどに関しての質問などがありましたら kosuke.shinoda [[at]] riken.jp までご連絡下さい.
- 2011.10.05: 初稿作成